40過ぎて母の味を実感するとは思わなかった。

今日は寒くて、サツマイモとほうれん草の味噌汁を作る事にしました。

なぜ、寒いとサツマイモとほうれん草の味噌汁かというと、ちょうどこんな寒い季節に兄が入院しました。 私は結婚して10年近く経っていましたが、兄はまだ独身で身の回りの世話をしてくれる人が居なかったので、電車で2時間の距離にいる私が色々と世話を焼く事になりました。

ある日は田舎から母も来てくれて、二人で病院の近くにある兄のマンションに泊まりました。 その頃父は肺の病気で兄のお見舞いに来られる状態ではありませんでした。

兄の家には何もなく、数日いるだけだったので、コンビニ弁当を食べていました。

朝、病院に行く前の朝食をとる時に母が、 「こんな冷たい身体に悪いもんばっかり食べられへんわ」 といって、私のために持ってきていた実家で栽培している野菜の中からサツマイモとほうれん草を使ってお味噌汁を作ってくれました。

寒い朝の食卓に温かいお味噌汁。サツマイモの甘みを味噌の塩気が引き立て、ほうれん草にも味がしみて、栄養が身体に染み渡る感じがした。

こんな美味しいものを作れる母はすごいと思いました。

簡単な料理だけど、あの時の私は疲れていたし、数日間ならコンビニ弁当で十分と思っていたのです。

けど、身体はこの温かい味噌汁と栄養を欲していた事をすごく感じました。 母には言ったことないけど、あの時のお味噌汁には本当に感動したよ。 その後兄は奇跡の復活を遂げ、今も相変わらず独り身だけどそれなりに出世もしてバリバリ働いています。 でもその数年後に、父が他界しました。

その事もあって、家族の病気と死を身近に感じるようになりました。

親はいつか死ぬというのがずっと頭にあります。 この味噌汁の思い出も、母が死んだりしたら思い出す度に泣くだろうと思います。 辛いから、あまり思い出を増やしたくないなぁとか思ってしまいます。

今も、死んでないのに、全然元気なのに、死んだらどうしようと泣けてきます。 弱い40女です。